レントゲン検査を使わない次世代の胃がん検診

胃がんの罹患率(胃がんの発生数)は第1位!

日本人のがんの特徴は、諸外国と比べて胃がんが多いことです。胃がんは、がんによる死亡者数は肺がんに次ぐ2位ですが、胃がん罹患率(胃がんの発生数)は依然として1位(男性1位、女性2位)です。胃がんの早期発見、早期治療には検診が有効ですが、従来の胃がん検診は検査の準備が大変だったり、苦しい検査といったイメージから受診率が伸び悩んでいます。

医療法人順秀会では、これらの問題に対応するためレントゲン検査を使わない次世代の胃がん検診として、血液検査のみで簡単に胃がんのリスクが判定できるABC検診(胃がんリスク検診)に対応しています。

ABC検診(胃がんリスク検診)とは?

血液検査による胃がんスクリーニング検査のことです。ABC検診(胃がんリスク検診)は、胃粘膜に炎症を発生させる原因となるピロリ菌感染の有無(ピロリ菌抗体)と胃がんのリスクが高くなる胃粘膜の萎縮度(加齢・老化現象)を測定する血清ペプシノゲン(PG値)、これら2つの検査値を判定の要素として、胃がんになりやすさのリスクを判定・分類する検査方法です。
「がんを見つける検査」ではないため、胃がんになりやすい判定の場合はより積極的に胃の検査(胃内視鏡検査)を受けて頂くことが必要と判断できます。
しかし、以下に該当する方は、検査結果が正しく反映されない場合がありますので、検査前にご相談下さい。
①一部の胃薬服用中 ②消化性潰瘍治療中 ③胃切除後 ④過去にピロリ菌を除菌した方 ⑤腎機能障害 ⑥ステロイド服用中 ⑦免疫機能低下、免疫抑制剤使用中

ABC検診(胃がんリスク検診)の判定方法

ABC検診はA・B・C・Dの4段階およびEで判定します。(下図)
A群・・・ピロリ菌の感染なし、胃粘膜萎縮もなく、胃がんが発生するリスクがほとんどありません。(胃がんの1%以下)
B群・・・ピロリ菌感染あり、胃粘膜萎縮は軽度。胃がん発生率は年率0.1%(1000人に1人)程度です。
C群・・・ピロリ菌感染あり、胃粘膜萎縮が進んだ群です。年率0.2%(500人に1人)程度の胃がん発生率です。
D群・・・胃粘膜の萎縮が進んでピロリ菌が住めない状態の胃です。胃がん発生率は年率1.25%(80人に1人)です。
E群・・・ピロリ菌の除菌が成功した群です。
A群→B群→C群→D群の順に胃がんになるリスクが高まってきます。

ABC検診後は医師と相談しましょう

ピロリ菌の感染は4~5歳以下の免疫力の弱い時期に起こります。ピロリ菌の感染がなく、ペプシノゲンが陰性であるA群の成人は現在および将来において胃がんになる危険はほとんどなく、無症状であれば、胃の二次検査・内視鏡検査を受ける必要がないと考えられます。B、C、D群(既感染)およびE群は、内視鏡検査を行い、早期に胃がんを発見することを目指します。胃がんが認められなかった場合は、その後の胃がんの発生を抑制する目的でピロリ菌の除菌治療を実施します。

ABC検診(胃がんリスク検診)で大切なことは、医師と相談し、内視鏡検査受診を将来も継続していくことです。

ABC検診(胃がんリスク検診)は、あくまでリスクスクリーニング検査であり、低リスクと診断されても完全に胃がんのリスクがないわけではありません。A群からの胃がん発生は極めて低い率ですが、ゼロではありません。偽A群(A群に混入する胃がん有リスクであるピロリ菌既感染・現感染)の可能性もありますので、おなかの自覚症状のある方は、受診の際に必ず申し出て下さい。

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